弁護士コラム
弁護士一日日記【米・イスラエルのイラン攻撃から一か月】
弁護士1日日記 令和8年4月度
【米・イスラエルのイラン攻撃から1か月】
2月28日、米とイスラエルが歩調をそろえて「イラン攻撃」に出てから1か月が経過した。
米が目標とした「斬首作戦」に伴う「イランの政治体制の崩壊」は、当初の攻撃で、イランの最高指導者「ハメネイ師」らを殺害したことによりほぼ達成したとしている。
米は停戦に向けて順調に協議が進んでいるとアピールしているが、2000名を越えるといわれる人的被害や多くのインフラ施設を攻撃されたイランがなんの賠償もなく停戦に応ずるとは思えず、楽観は許されない。
今回の米・イスラエルのイラン攻撃は「国際法違反」だとする国連専門家21名の共同声明が出された。
1945年の第2次世界大戦終結後、戦後社会を安定化するため定められた「国連憲章」は「武力による国境・国際秩序の変更を許さない」というのが大前提であり、今回の米・イスラエルの攻撃がこの国際合意に反していることは明らかであろう。
日本の高市総理は先日アメリカを訪問し、トランプ大統領と面談したが、「世界の繁栄と平和を成し遂げるのはドナルドだけだ」と褒めたたえたのみでその違法性については「法的評価はしない」ということで済ました。
4年前のロシアによるウクライナ攻撃の際にその違法性を非難し、経済制裁に踏み切った時とは真逆の対応で「2重基準」(ダブルスタンダード)は明らかだ。
今や戦後世界の基本である「国際連合体制」(常任理事国5か国支配体制)は機能を失った。
トランプ大統領自身、国際連合には何も期待せず、自らが議長となる「平和協議会」で事を進めようとしている。
国際連合中心主義をとってきた日本はどのような立ち位置で国際社会と対峙するのであろうか。
イタリアが中東向けの米軍機のイタリアのシチリア島の飛行場利用を拒否したとの報道があった。
一方で、トランプ大統領は、イランのホルムズ海峡閉鎖には関心がない態度を示し、関係国で解決しろという無責任な態度を示した。
明らかに国際秩序は崩壊に向かっており、新たなる智慧を必要としている。
令和8年(2026年)4月1日
弁護士 加 藤 謙 一
(2026-04-01)

